IDCアナリストの仕事とは? その一部を紹介


ICT市場を分析するIDCアナリストとは一体どのような仕事をするのか、イメージを持てない方も多いのではと思います。簡潔に言うと、 IDCアナリストは、下記のような活動をしています。

  1. データや情報をさまざまなソースから収集し(情報収集)
  2. それを分析し、付加価値を付けた後に(分析)
  3. お客様(ITベンダー様、ITユーザー企業様など)が利用しやすい形で提供する(アウトプット)

また、下記の活動も役割の一つです。

  1. 新しい市場の動き(例:デジタルトランスフォーメーション(DX)、メタバース、スマートシティ)を捉え、発信することで、世の中のトレンドを牽引していく(Thought Leadership)

我々、IDCアナリストは、こういった活動を通じて、ICTによる社会の進化や変革を支援しています。以下、アナリストの仕事について、もう少し具体的に紹介していきます。

IDCアナリストの仕事(1)~情報収集編


IDCアナリストは、さまざまなソースからのデータや情報を入手し、それを分析することでお客様に価値を提供します。以下は、数ある情報収集ソースの中でも特に重要な「取材」と「アンケート調査」です。

情報収集1:取材

IDCは「1次情報」を大切にします。アナリストは、ITベンダー様、ITユーザー企業様など、さまざまな方に定期、不定期に取材を行い、今まさに市場で起きている情報を収集します。取材活動は、IDCアナリストにとっての生命線です。

  • ITベンダー様への取材:製品の販売実績、事業戦略、ソリューション提供事例など
  • ITユーザー企業様への取材:IT投資計画、デジタルトランスフォーメーション取り組み事例など

情報収集2:アンケート調査

より幅広い対象者における定量的な情報を得たい場合は、アンケート調査を実施します。CIO、経営層、マーケティング担当者など、目的に合わせてさまざまな方を対象に実施しています。国内と世界の動向比較も行います。

  • IT投資計画、重点投資分野、特定製品/ソリューションの導入傾向など
  • DXに対する戦略、DX実現に向けた組織体制や人材投資、メタバースなど新たな市場トレンドに対する投資姿勢など

IDCアナリストの仕事(2) ~分析編


データや1次情報を得た後に、それらを分析して、意味のある情報、洞察に結びつけるのが、IDCアナリストの次の仕事です。個人で行う場合も、世界中のアナリストと協働して分析する場合もあります。

分析1:個人で分析

収集したデータや情報を、社内ツールや一般的に利用されているツールを活用して、分析します。直近のデータや情報だけではなく、それらを過去に取得したデータや情報、そこから導き出された洞察などと組み合わせることで、より付加価値が高く、お客様にとって有用なデータや情報を作り出すことができます。

分析2:同僚と分析

IDCの強みは、何と言っても世界中に存在するICT市場の専門アナリストの存在です。個々のアナリストの分析に、世界中の同僚アナリストの知見を加えることで、より深く、イノベーティブな分析が可能になります。

  • IDC Japanの他のアナリストとの協働
  • 世界1,300人のIDCアナリストとの協働

IDCアナリストの仕事(3) ~アウトプット編


収集したデータや情報を分析、加工し、お客様の役に立つ形で提供することがIDCアナリストの究極の役割です。以下では、代表的なアウトプットの形態を4つ紹介します。

アウトプット1:データベース製品

IDCの重要な製品に、「Tracker」「Spending Guide」といったデータベース製品があります。取材結果やアンケート結果を活用し、出荷実績、ベンダーシェア、そして5年先までの予測などのデータを作り、お客様に提供します。お客様は、IDCのデータを事業計画やマーケティング活動に活用しています。

  • サーバー&ストレージ、PC、スマートフォン、ソフトウェア、クラウドなど幅広い分野のデータ提供
  • DX、AI、Future of Workstyle(働き方の未来)に関連する企業のIT支出の見通し

アウトプット2:レポート

取材から得られた生の情報、アンケートによる定量情報などをベースに、レポートを執筆し、お客様に提供するのもIDCアナリストの重要な仕事です。1次情報から、いかに洞察を導き出し、お客様の重要なIT/デジタル関連の意思決定に影響を与えるかがIDCアナリストの腕の見せ所です。

  • 市場予測、ベンダーシェアに関するレポート(定量情報に加え、その背景にある定性情報)
  • 主要ベンダーの戦略分析、ユーザー企業の投資動向、DXの推進状況など

アウトプット3:講演

作成したデータやレポート内容を基に、講演を行う機会も増えています。IDC主催のイベントでの講演、ベンダー様主催イベントでの基調講演などの機会があります。最近では、ディスカッションのファシリテーターを依頼されることもあります。

  • IDC主催イベント:Directions、IDC Future of Workstyle Vision、Storage Visionなど
  • ベンダー様主催イベントでの講演

アウトプット4:コンサルティングプロジェクト

お客様の要望に合わせて、個別テーマの調査を受注し、調査、分析、報告を行います。お客様のマーケティング活動支援のレポート作成(ホワイトペーパーなど)もアナリストの業務の一つです。

  • コンサルティングプロジェクトの例:新興技術の市場性、競合分析、ユーザー企業のニーズ把握など
  • マーケティング支援:ホワイトペーパー、デジタルコンテンツなど

IDCアナリストの仕事(4) ~Thought Leadership


市場分析の専門家として、これから市場で起こることを予測し、機会を捉えて発信していく「Thought Leadership」もIDCアナリストの役割です。

  1. 「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という考えを、早い段階から発信し続け、世界中に広めてきたIDCは、IT、デジタル市場におけるThought Leaderとしても認知されています。
  2. IDCアナリストは、すでに確立された市場の分析だけでなく、姿を現しつつある新たな市場やトレンドについても、客観的に分析し、その将来性についてレポートや講演などを通じて発信していきます。
  3. 新しいトレンドを発信していく際も、ベースとなるのはデータや取材情報を使った客観的な分析です。



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