Publication date: 29 May 2024
国内通信サービス市場予測を発表
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Japan, 2024年5月29日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-6897-3812)は、国内通信サービスの市場予測を発表しました。これによると、2023年の国内モバイル通信サービスのエンドユーザー支出額は6兆6,800億円、前年比成長率はマイナス0.3%となりました。IDCでは、2028年の支出額を6兆7,750億円、2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を0.3%と予測しています。
モバイル通信サービス市場は新たな局面に入ろうとしています。2023年の個人セグメントにおける、データ通信用途への支出額の前年比成長率はマイナス0.9%となり、前年の同マイナス2.9%から改善しました。市場は、MNO(Mobile Network Operator)が提供する低価格な料金プランの浸透を背景とする、近年の支出額の減少トレンドをようやく脱しつつあります。また、法人セグメントでは、IoT(Internet of Things)端末や業務用デバイス向けのデータ通信需要が堅調に拡大しています。法人セグメントにおけるデータ通信用途への支出額の前年比成長率は5.1%となり、前年の同3.2%を超える成長となりました。加えて、MNOは、ネットワークスライシング(ネットワークを仮想化してリソースを分割する技術)といった5G SA(Stand Alone)の特徴を生かし、従来のパブリックネットワークでは提供できなかった、新たなワイヤレスサービスの提供を開始しています。こうしたサービスは、これまで固定通信ネットワークやWi-Fi、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)の独自サービスが応えてきた顧客の需要に、今後より柔軟かつ高い費用対効果で応える可能性があるとIDCではみています。
法人向けWANサービス市場に目を向けると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の5類移行に伴い、従業員のオフィス回帰が進展し、WANの増速需要がいっそう高まったことが市場の成長に寄与しました。成熟した市場セグメントであるL2帯域確保、L3帯域確保においても、売上額の前年比成長率がそれぞれ0.6%、0.8%となり、市場が拡大しました。一方で、ゼロトラストやSASE(Secure Access Service Edge)といったフレームワークの浸透やパブリッククラウドの利用拡大を追い風として、企業がインターネット回線を活用する動きも拡大し、マネージドインターネットVPN(Virtual Private Network)でも売上額が増加しています。
2028年までの国内通信サービス市場は、伝送するデータ容量の増大、企業におけるデータ利活用に向けた取り組みの拡大が通信サービスへの需要を生み、市場が継続的に成長すると予測しています。IDC Japan株式会社 Infrastructure & Devicesのシニアリサーチアナリストである水上 貴博 は、「IoT向け通信サービスでは、5Gネットワークの成熟がもたらす競争激化に備え、自社の強みとケイパビリティを整理し、市場におけるポジショニングを再設定すべきである。また、法人向けWANサービス市場では、安定した通信品質を求める企業の閉域網への需要が根強い一方で、ゼロトラスト化を進める企業などがインターネットの積極的な活用に動いている。通信事業者やSIer(Systems Integrator)は、企業におけるネットワークとセキュリティの統合サービスへの需要を法人向け事業の成長材料とできるよう、サービスの拡充を急ぐべきである」と分析しています。
今回の発表は IDCが発行した「国内通信サービス市場予測、 2024 年~ 2028 年 」にその詳細が報告されています。本調査レポートでは、5GやIoT向けを含むモバイル通信サービス、パブリッククラウド接続用途を含む法人向けWANサービスのほか、固定ブロードバンドサービス、法人インターネット接続サービスの市場規模予測などを提供しています。
(本レポートの詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)
<参考資料>
国内モバイル通信サービス市場 支出額予測、2023年~2028年